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風野真知雄「馬超」[]
PHP文庫

幼少時代から晩年まで、あっさりとしたわかりやすい筆致で描かれた馬超一代記! 歴史モノにしてはくどくなく、説明も過剰でなく大変読みやすい。

馬超と言えば潼関の戦いで曹操に負け、最終的には劉備の元に行って五虎将軍の一員になったと、その事実ばかりが知られていて西涼での彼の事象はあまり有名では無いような気がする。実際、私も馬超の知識は殆ど演義のそれだったし。しかし、正史での馬超は演義とは全然違い、曹操に認められて一緒に戦ったこともあり、また周瑜から同盟の誘いを受けたこともある西涼の一群雄なのだ。こっちの馬超の方がずっとカッコイイ。
この本は演義準拠ではないので、親兄弟を曹操に人質に取られた状態で挙兵して一族誅殺の刑に遭う(演義だと一族を殺されたが故に挙兵する)のだが、それでも、その挙兵に至る心理は西涼と言われる異民族と融合した辺境に育った者にしか分からぬものであり、一概に親不孝とは言えない気がした。この西涼に生きる者としての心情をもう少し丁寧に描いて欲しかったような気もするけれど、シンプル具合がイイ本でもあるのでこの程度でいいのかも知れない。
今まで知らなかった馬超を知ることが出来たので、馬超をよく知らなかった私にはとても良い本だった。

韓遂がかなりいい味を出してるよ! 少年馬超を一時的に養っていた設定が、後の離別を思うとかなり切ない。オリキャラの奥さんも不思議系で馬超にあってるなあ。
私が一番気に入ったのは趙昴の妻、異。激しすぎ。馬超の奥さん虐めるところが凄かった。烈女だよ烈女。
あとは曹操! 小さいけど魅力溢れる粋人。馬超とは一種独特の関係で、敵同士であるにもかかわらず互いに認め合っている風なのが良かった。
唯一馬騰がつまんない親父だったのが残念。